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執筆者の写真yobito

未知との遭遇

 社会科で「昔の道具」について勉強していた小学生。

 「な、なんだこれは・・・?」と子ども達が指差した写真。それは「カセットテープ」という未知の物体でした。その昔、「エアーチェック(死語)」する際に必須だったこの道具ですが、子ども達にとっては未知との遭遇です。ここからドラマは始まります。

 「先生、何に使うのですか?」「セロハンテープ的な物ですか?」「じゃあ、実物を見に行くかい?」「えっ、あるんですか!?」

 やってきたのは放送室。引き出しの中にありました。棚の上にはラジカセも。学校には、タブレット端末から、カセットテープまであるのです。学校はちょっとした博物館ですね。見たこともない黒い機械を前に、立ち尽くす2人・・・。しばらく見守ることにしました。

 「この機械を使うらしいよ」「スピーカーがあるから、音が出るのかな?」「きっと、どこかにセットするんだよ」「ここに扉みたいなところがある」。子ども達は、その扉を爪でこじ開けようとしますが断念。ようやくボタンに気付き、ぱかっと扉が開きました。今度はカセットテープの上下に苦戦。セットしたら、扉を閉めるボタンを探しています。「開ける時がボタンなら、閉める時もボタンのはず・・・」そう考える子ども達の思考は、極めて自然です(でも、扉を閉じるときは手動なのだよ。ふふふ・・・)。

 ここまで10分。ついに再生ボタンを押す時がやってきました。「何が聞こえるんだろう」とドキドキの子ども達。流れてきたのは・・・・・、「1,2,3,4」という男の人の声・・・ラジオ体操第一でした。「これは知ってる~」と子ども達。

 「未知との遭遇」は、「既知との遭遇」で幕を閉じました。



 

 

閲覧数:55回1件のコメント

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1 Comment


a4chu-kcho
Feb 16, 2023

このお話、面白いですねー。昔の洗濯機を見たらどうなるでしょう。

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